冬来たりなば、春遠からじ。

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映画「真田十勇士」がすごい面白かったので色々話す(たぶんネタバレはない)

久しぶりにファーストデイとお仕事お休みだったので、原作も何も関係ない映画を見てきました。すだまです。

 

いやもうめっちゃくちゃ面白かったです。ほんとに。予想以上に。ボロッボロに泣きました。

多分名前くらいは誰でも知ってる気がする「真田十勇士」。

正直好きな俳優さんが出ていたからとかいうそれだけの理由が7割くらいでした。あとの3割は単純にこういう時代ものというか時代劇が好きだからなのとファーストデイだったからなのと。

でも普通に正規の値段でもう一度見たいって思うくらい面白かった。あんまりにも面白すぎて友達に情熱をぶつけて次の日に映画見に行ってもらうくらいに。

でもまだ気持ちが収まってないのでここにぶちまけることにする。

 

そもそも「真田十勇士」ってどんな映画なん?って話なんですけど、気になるなら公式サイトとか

sanada10braves.jp

 

映画解説サイトとか

eiga.com

 

こういうところのあらすじ読んでくれって思います。

ただあらすじとか知らなくても普通に楽しめる。私もほとんど事前情報入れずに見に行った。猿飛佐助と霧隠才蔵くらいしか十勇士知らなくてもめちゃくちゃ楽しかった!

 

最初は見る映画間違えたかと思いましたが。うん、あれはびっくりした。

 

えーと、とりあえず主な舞台が「真田丸」で有名な大阪冬の陣・夏の陣であることと、真田幸村が日の本一の兵でもなんでもなく、ただの臆病な凡夫だということだけ頭の片隅に置いといてくれれば全然構わないと思います。

それだけで面白そうだな、そんなに言うならちょっと見てみるか、って思ってくれる人がいたらそれだけで私はベリーハッピーです。ありがとう。

 

あ、でも割と思ってた以上に血とかどばどば出るし、好きな洋画はバイオハザードです!な私でもウワッてなったことも多かったので…………。

 

ただそんだけで見に行ってくれる人っていないですよね。わかってます。わかってます。じゃあちょっと最後まで聞いていってくださいね。

 

なによりまずね、真田十勇士、音楽がとてもよかった。めちゃくちゃ聞いててわくわくしたり心臓ギュってなるほどひやひやしたり緊張したり。

サントラを衝動買いしたのは同じ堤幸彦監督作品の二十世紀少年だけなんですけど、この作品も買いそうです。DVDはもちろんですが。

これはもうどれだけ書いても伝わらないから劇場で聞いて!!!としか言えないのが辛い。

 

何より合戦のシーンがね、かっこよかった。負け戦だから無念なのはわかってたけど。それ以上にかっこいい。

ああいう戦ものというか時代劇って、どうしても一対一というか、主人公と、その主人公がばったばったとなぎ倒していく敵のモブたちと、待ち受ける名のある敵役、って感じを受ける気がしてたんですよ。

でもね、ちゃんと真田軍も徳川軍もいっぱいいて、十勇士はその中の一人なんだって思わせるような映し方で。

ああ、戦国時代の合戦ってそうそうこんな感じ!って思う。

でも一人ひとりちゃんと個人で映して、そこがもうものすごくかっこよくて、素敵で。

手持ちカメラなんでしたっけ?めちゃくちゃ臨場感があるんですよね。ありもしない砂埃が感じられるくらい。

まるでそこにいるかのように。多分幸村殿や十勇士たちは、大勢の中の一人だけど、それでも不思議と目につく人なんだなって。

あのカメラの撮り方はすごくよかった。めちゃくちゃ好きです。うまいこと言えないけど。

 

あとはね、出てくる人たちのキャラクター性。みんなものすごく個性豊か。かっこいいしかわいいし面白い。

 

猿飛佐助のあの雰囲気あの性格あの言動とふるまいで、それでもかっこいいのは中村勘九郎さんだからなんだろうなっていうのは映画みてすごく思いました。

まるで狂言師。もしくは猿回しの猿。

わざとらしいくらいにわざとらしい振る舞いは、本当に佐助の性格はこういうひょうきんなものなのか?実は裏があるんじゃないか?って思わせちゃうくらい。全ての言動の端々ではっと「ああこの人やっぱり舞台上の人なんだ」って気づかされる。

そして頭はあんまりよくないというか、しっかり考えて動くタイプではないんだなとは思いました。直感で動くタイプ。まさに主人公!って感じ。戦隊のレッドとか。

 

そしてそれと対照的なのが霧隠才蔵でしたね。いつでも冷静でクールでまず頭で考える理論派タイプ。暴走しがちな佐助を諫める。でもやっぱり主人公は佐助だから、それに巻き込まれてしまう。

やっぱりクールなキャラはそのクールさの仮面が剥がれる瞬間がとても魅力的だと思う。思わず表情が崩れた瞬間と、怒りをあらわにするシーン。垣間見える感情は正反対なんだけれど、私はどちらも好きです。もちろん普段の才蔵さんもすごく素敵。

というか衣装がずるいですね。マントって言っていいのかなあの時代。外套?っていうんですか?

とにかくアクションするとばっさばっさと動く。それを捌くのがかっこいい。カメラ映えする。素敵。たまらない。

あと注目してほしいのはちゃんと子分?のような三好兄弟を気遣ってるところ!

 

三好兄弟はほんとうになんていうか、癒し。かわいい。文字が読めないし頭の作りもたぶんよくなくて、子供みたいな。侍とか忍とか、ピリピリしてる人が多いからこういう気のゆるみを作ってくれる存在って映画の中じゃすごく大事なんだなって思いました。

海野さんとか、望月さんとかね。

 

奇しくも二人とも名前が同じなんだなっていうのは名乗りのときに気が付きました。

一番見た目がわかりやすい人ですよね、海野さん。分厚い眼鏡と重たそうな荷とそれを背負う猫背な背中。見た目だけではめちゃくちゃ真面目で偏屈なのかなって思ってたんですけど、言うほどではなく。いやもちろんそういう面もあるんでしょうけれど。

でも個人的には海野さんが誰よりも侍らしい忠臣だったような気がしてます。

もちろん望月さんも忠臣ですよね。幸村殿ではなくその息子の大助殿のほうですけれど。

もう最初から最後までぶれなくて、優しくて。

いま思うと最初から真田家に仕えていた勇士たちは戦場が似合わないような人でしたね。

そういうのってなんだかんだで殿の気風が繁栄されていたのかもしれない。大助殿もそうだし。

最年少で、幸村さまの息子。もうひたすらにまっすぐで、見ていて「ああ、かわいいなあ……」ってしみじみしてしまいました。

 

個人的には大助殿と鎌之助さんのシーンがすごく好き。

一見無表情でクールでちょっと怖い、無骨な武人ってイメージだったんですけど、それだけじゃなくて。詳しく言うとネタバレになっちゃうんですが、そのシーンはちょっと涙ぐみました。

あとね、鎌之助さんと十蔵さんの友情?というか信頼?絆?みたいなものがほんとにもうすごくかっこよくて、素敵で、もうそのシーンだけでワンワン泣きました。タオル握りしめて泣きました。声出さないように必死に押し殺して。

 

あとね、映画の中で一番成長したのは誰かって言われると、私は甚八さんの名前を挙げますよ。もちろん大助殿もなんですけど。

色々とあるんですけど、影の主人公というか、準主役というか。甚八さんにスポットを当てたものも見たいなって思わせるくらいに魅力的でした。

 

それから十勇士じゃないけど外せないのは真田幸村殿。

あんまり感情が表に出ないタイプなんでしょうか。勘違いされっぷりがあんまり描かれてなかったのが残念でもあるんだけれど。

でも単なる気弱で馬鹿な愚か者ではないんですよね、きっと。こずるいところはあっても、お茶目だし、頭の回転も悪くないし。ただ、流されやすいのと、それから人たらし。

決して無能な人ではないんですよ。だってずっと一人でやってきたんだし。運がよかったというのもあるかもしれないんだけれど。それでも家臣に、息子に慕われてきたのは勘違いだけではなく、きっとその人柄もあるんだと思ってます。というかそう思いたい。

 

あとね、個人的に火垂ちゃんすっごい好きです。ああ、めっちゃ堤幸彦が好きそう!って感じの女の子。「かわいくないところがかわいい」みたいなね。才蔵さんのこと好きなのを隠してない感じ。すごく好きです。最高。

 

ちなみに登場人物で誰が好き?って聞かれたら鎌之助さんと海野さんって答えます。